生の音楽の魅力感じて
高校生相川彩花 16(東京都中野区)

東京新聞 2009年10月12日(朝刊)


電車で登校していると、ほとんどの人たちがイヤホンをしているのが目につきます。昨今、アイポッドや携帯などでの音楽の持ち運びが簡単になったことで、大人から子どもまで、多くの人が音楽に触れる機会が多くなったのだと思います。

しかし本物のオーケストラのコンサートやアーティストのライブステージなどに行く人は、そのうちどのくらいいるのでしょうか。

私は高校で吹奏楽部に所属しているのですが、CDで音楽を聴くのと生の楽器での演奏を聴くのとでは、同じ曲でも印象が全然違うと思います。

音というのは、空気を震わせることで周りに伝わるから、どんな高性能なスピーカーやイヤホンでも、実際の演奏の空気の震えを再現することは不可能ではないでしょうか。

演奏者の音に込めた思いや、その迫力を体感して、初めて音楽というのは完成するのだと思います。イヤホンの中の小さな自分の世界で満足するのではなく、生の音楽に触れることで本当の音楽の力を感じてほしいです。


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