「選挙騒音」を抑えてみたら
会社員 池谷 昌彦 (東京都江東区 47)

朝日新聞 2010年5月16日(朝刊)


インターネットを使う選挙運動が夏の参院選から解禁される。それによって候補者が政見を訴える手段が多様になるのであれば、他方で選挙運動の質も改善してはどうか。選挙カーの音量を抑え、静かな住環境を維持するためだ。
大音量の演説は公害に他ならない。なぜ、民家の前であれほど大きな声を張り上げる必要があるのか。昨年の総選挙で、私は思いあまって、候補者の陣営に善処を申し入れた。
そこで、法律によって、地域ごとに選挙活動から発する音量を数値(デシベル)によって規制するよう提案する。住居地域では、商業地域より厳しく制限する。仕事場や家庭が求める平穏を妨げ、静養を要する病人を苦しめる騒音の軽減に役立つだろう。
候補者にとっても、音量規制はメリットがあると考える。環境に配慮する姿勢を示せば、有権者に好感を持たれる。いくらボリュームを上げても、音が割れては演説を聞き取れない。拡声機に費やされる電力を節減する利点もありそうだ。


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