サンゴの赤ちゃん 音聞き分け すみかを識別

しんぶん赤旗 2010年5月16日


卵からかえったサンゴの幼生(赤ちゃん)は、海底などに着生するときに、音ですみかを識別しているー。英・ブリストル大学などの研究チームが実験で確かめ、14日付の米科学誌『プラス・ワン』電子版に発表しました。
研究チームは、岩礁を模した水槽にサンゴの赤ちゃんを入れ、実際の岩礁で録音した音を流して、サンゴの赤ちゃんの様子を観察しました。その結果、音を流さなかったときには自由に動き回っていましたが、音を流すとその方向に向かっていっせいに動くことがわかりました。これは、サンゴの赤ちゃんが着生に適した場所を音で識別していることを示しているといいます。
録音した音には、魚やカニ、エビなどが立てる音が含まれています。これらの音は海の中を数`b伝わることが知られています。
サンゴの赤ちゃんがどうやって音を聞き分けているか、まだわかっていませんが、サンゴの赤ちゃんは繊毛という細かな毛に覆われていて、研究チームは、この毛が音を感じるのに役立っているのではないかとみています。
最近、サンゴ礁では人間が出す音によって、本来の岩礁の音がかく乱される例がめだっており、研究チームは注意を呼びかけています。


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