上映中止求め右翼街宣

横浜の映画館刑事告訴を検討

東京新聞 2021年05月11日(朝刊)


一九七四〜七五年に連続企業爆破事件を起こした「東アジア反日武装戦線」を描いたドキュメンタリー映画を上映する横浜市内の映画館に右翼団体が四、五月、上映中止を求めて街宣活動をしたことが分かった。配給会社と映画館側が十日、都内で記者会見を開いて明らかにした。

映画は「狼をさがして」(キム・ミレ監督)。三菱重工業本社ビルなどの爆破事件を起こした東アジア反日武装戦線の背景について、メンバーや家族らの証言から迫る。配給会社太秦によると、三月から公開され、全国三十館での上映を予定する。街宣が行われたのは横浜市中区の映画館「横浜シネマリン」が初めて。

横浜シネマリン代理人の馬奈木厳太郎弁護士によると、公開初日にあたる四月二十四〜五月八日の間に計四日、映画館周辺や館内で団体関係者が「反日的である」などと訴えて上映中止を求めた。

同館は威力業務妨害容疑での刑事告訴を検討。八幡温子社長は十日「暴力的かつ的外れな抗議行動に決して屈しない」との声明を出した。予定通り二十一日まで上映する方針。
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