園児の声 騒音の可能性も? 東京地裁「程度や事情」訴訟で言及

朝日新聞 2020年06月19日(朝刊)


保育所で遊ぶ子どもの声が受忍限度を超えた「騒音」に当たるかが争われた訴訟の判決で、東京地裁(伊藤正情裁判長)は18日、保育所の工夫で声が抑えられているなどとして、近隣住民の賠償や騒音差し止めの請求は棄却した一方で、「騒音の程度や事情が変われば異なる判断があり得る」との判断を示した。

訴えていたのは、東京都練馬区の保育所の隣に住む3人。2007年4月の開所後、区に苦情を伝えるなどし、11年には都の公害審査会に調停を申し立てたが、解決策はまとまらなかった。このため、「平穏に生活を送る権利が侵害された」として、保育所の運営会社日本保育サービス(名古屋市)などを相手取り12年に提訴した。

判決は、開所後2年程度は国の基準を大きく上回る騒音が出ていたが、プールの位置を変えるなどの対策が施され、騒音レベルが下がったと指摘。保育所側がプール遊びのある夏以外は園庭の使用時間も平均30分以下に抑えたなどとして、この騒音レベルが維持されれば、受忍限度を超えないと結論づけた。 (新屋絵理)


Tweet
home