音声でカラスふん害対策

青森八戸市が宇都宮の企業に依頼

警戒時に出す鳴き声使用

東京新聞 2019年02月07日(朝刊)


青森県八戸市中心部で冬季に増加するカラスのふん害対策として、市は4日夜、音声を使ってカラスを追い払う実験を開始した。カラスの被害対策を手掛ける宇都宮市の「CrowLab (クロウラボ)」に依頼して2月末まで実施する。市街地で長期間の効果を検証する初の試みになるという。 八戸市によると、市中心部では11月〜翌年3月の夜間に多くのカラスが電線の上などをねぐらとし、路上に大量のふんを落とす。市中心部の冬季のふん害の通報は毎年6〜27件ある。

市は昨年度、ライトを当ててカラスを追い払う実験などを行ったが効果は薄かった。本年度は全国各地でカラス対策の実績があるクロウラボと協力して、新たな実験を試すことにした。

実験では、カラスが警戒している時に出す鳴き声を使って制作した音声を使う。音声を流し続けるとカラスが慣れて逃げなくなる可能性があるため、流す時間は最小限にとどめる。 初日の4日は午後7時すぎに開始。スピーカーから音声を流すと、電線にいた数十羽のカラスが一斉に飛び立った。市環境政策課の大久保洋亮技師は「即効性があり、効果が高いと感じた」と話した。

市職員らが2月末まで週に1、2回、音声を流す。同社によると、初日はカラスの反応を見るために午後7時すぎに実施したが、夕方ごろから音声を流すことが必要になるという。 宇都宮大特任助教で同社代表取締役の塚原直樹さん(動物行動学)は「途中で音に慣れた場 合、別の音に変えると慣れが解消するかなど、長期的な追い払いが続くかを検証したい。市街地では初めてだが、ほかでも実績はあるので通用する自信はある」と語った。


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