番組のBGM 難聴者配慮を

無職 ●● ●● 79 (東京都世田谷区)

東京新聞 2019年11月12日(朝刊)


NHKスペシャル「天皇が創った至宝」(10月30日放送)を非常に期待して視聴したが、BGMの音が大きすぎてナレーションが聞き取りにくく、残念だった。私は高齢の難聴者であるが、私より聞こえの良い妻も同意見であった。
私は約10年前まで、大学で非常勤講師を務めていた。「科学技術の視点」などを担当し、これはと思う環境番組の録画を学生に視聴させていたが、当時はBGMは大きくなかった。
概して最近の放送は、以前のものよりBGMが大きくなっていると感じる。音響技術の進歩により、ビアノ伴奏だけのような単調なものでなく、複雑で手の込んだ力作のBGMが作曲されるようになったためかもしれないとも思う。しかし、伝えられるべき内容が犠牲になってはいまいか。
世の中には難聴の方も多くいる。番組制作にあたっては、ナレーシヨンとBGMのバランスの調節を考慮に入れてほしい。


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