医師 ●●●● 62(千葉市中央区)
東京新聞 2019年5月6日(朝刊)
熱発した家族の通院にタクシーを使った。行き先を告げると、ドライバーが容体を尋ねてくる。救急車を呼ぶほどでないのは明らかなのに、千円ほどの距離を、ずっと話しかけられ違和感が残った。
また長距離移動で見られる「ドライバーの自分史語り」の聞き役も私には向いていない。公共機関で帰る時間をタクシーに委ね、明日に備えているのであり狭い車内でやたら愛想の良いドライバーには閉口する。
タクシーを社交場とは思わず、目的地まで静かに過ごしたい乗客もいる。ドライバーの会話につきあい、疲れが倍増するタクシーに身を預けなくても済むよう「会話歓迎」「用件のみ」など、ドライバーの特性が一目で分かる表示を、業界全体で考えてもらいたい。