朝日新聞(道内) 2018年04月13日(朝刊)
いい湯だな……。こんなメロディーが正午になると、登別市内62カ所の屋外スピーカーから流れている。市が防災行政無線の操作に習熟するほか、市民に慣れ親しんでもらおうと始めた試験放送だ。評判が良ければ、本格実施する。
防災無線は火山の噴火や津波などの緊急放送をするため2015年に整備。市内をほぼ網羅しているという。昨年10月から全国瞬時警報システム(Jアラート)の試験放送を月に1回流していたが、住民からは時報代わりに定時の音楽放送を求める声があがった。
試験は9〜13日の午前7時に「椰子の実」、正午に「いい湯だな」、午後5時に「夕焼け小焼け」を流し、時間は18秒〜1分ほどだ。
一方、同市では昨年8、9月の北朝鮮のミサイル発射で、Jアラートによる緊急速報が防災無線から放送されなかったり、中断されたりした。2回とも、職員の誤操作が原因で、市は「音楽放送で機器の操作に慣れ、本番に間違いなく警報を放送することにつながる」という。
(三上修)