鉄道の放送 音量適正か

翻訳業 〇〇〇〇 48(東京都世田谷区)

東京新聞 2017年12月13日(朝刊)


地方や海外から東京に戻ると、ひときわ強く感じることがある。駅の構内放送や車内アナウンスのあまりにも大きい音だ。これほどの音量が本当に必要なのだろうか。耳を塞いでも、耳栓をしても、充分聞こえるほどの音量が…。

ひと昔前はここまで気にならなかった。自動音声放送の普及や、マイク等の性能も良くなって、よリクリアに聞こえるようになってきたはずなのに、大音量は変わらない。特にスピーカーの近くでは頭上から耳にガンガン響く音が降ってきて、本当に不快である。

駅員による放送は人によっても違うようだ。抑えたトーンで話す人はまだよい。しかし、元気よくはっきりと話す人の場合、こちらに届く音量が大き過ぎて耳障りなのである。マイクを通しているのだから、普通に話すトーンで十分だと思う。乗務員に直接苦情を言うと、「うるさいでしょうか」と意外な様子だった。乗務員一人一人は真面目に仕事をしていて、このことに気が付いていないのだろう。鉄道会社には何回も意見を述べている。「今後気をつけます」という回答が来るが、状況は全く変わらない。そこでお願いである。街づくりや騒音の専門家の方々に、この音量が人間にとって適正なのか現状を調査し、快適な放送のあり方を提言してほしい。鉄道会社の方々は、自分たちが生み出している音について聞く人の立場で見直し、音に関する自主基準を設けて仕事に取り組んでほしい。大音量は都会人のストレスの大きな原因になっているのではないか。駅や車内がもっと心地よい空間であってほしいと願っている。


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