サイレンの音 空襲思い出す

無職 ×××× (81歳・川崎市高津区)

2016年09月02日東京新聞(朝刊)


夏の全国高校野球選手権大会が熱戦の中、花咲徳栄の優勝で幕を閉じた。真夏の二週間余りを十分楽しませてくれて幸せだったが、気に掛かることがある。
試合開始と終了時のサイレンの音である。戦時中の警戒警報に発するサイレンを、連想してしまうのである。
子供のころ、米機襲来を聞くたびに、すぐさま粗末なわが家の防空豪に隠れた経験がある。猫の額ほどの庭に掘ったそれに、身を隠した。膝くらいまで水が湧いてきたが、警報の解除を知るまでは外には出られなかった。
そんな忌まわしい記憶を思い出すサイレンである。願わくば、来年の記念すべき百回大会にはもう少し平和的な音に変えてもらいたいと、この機に関係者の方々に問いたい。


home