「我慢しろ」では解決にならない

パート ××××(神奈川県 46)

2016年4月27日 朝日新聞(朝刊)



保育園の建設に反対する人への批判は、決まってこうだ。「反対する人だって、子どものころは大声をあげて遊んだはずだ。反対は身勝手だ」。本当に身勝手なのだろうか。

私の家の近所でも、5〜6人の子どもが大きい声で遊んでいることがある。日常の風景で、気にならない。しかし、保育園となると園児の数は50〜60人になることもある。園児の声に加えて楽器の演奏、運動会の練習などもある。これが、ほぼ毎日続くのだ。

人々のライフスタイルは、かつてと変わっている。24時間営業の店の増加などで夜勤者も増えた。夜働いて昼に睡眠をとる働き手への配慮も必要だ。

大切なのは建設する前に、住民に防音対策について説明し、対話を重ねて理解を得ることだ。「子どもの声くらい我慢しろ」では、何の解決にもならない。

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