(声)厳粛な図書館で知に触れたい
会社員 ××××(神奈川県 45)

朝日新聞 2015年10月31日(朝刊)


「ツタヤ図書館」に対して選書のあり方などが話題になっているが、そもそも市民が図書館にハード面の充実を本当に望んでいるか疑問だ。

カフェがあれば、本を読みたくなるのだろうか。吹き抜けのおしゃれな建築ならば、心が落ち着くのだろうか。様々な教室やイベントを通して人と人との交流が生まれれば生まれるほど、よいことだと言えるのだろうか。

私は何もない図書館がいいと思う。あの独特の静けさはどこか厳粛で、それだけで知に触れた気にさせる。もちろんBGMなんか邪魔以外の何物でもない。そして、古く、どことなく暗い建物は、知的好奇心をくすぐるのに十分だ。

古くからあるようなシンプルな図書館を望む私は、やっぱり例外的なのだろうか。


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