東京新聞 2015年5月23日(夕刊)
福岡県警は、横断歩道の押しボタン付き信号機から流れる注意喚起の音声に、小学生女児の声を使う全国初の試みを始めた。「無理な横断はやめましょう」などと呼び掛ける。道路横断中の高齢者の死亡事故の多さに「孫のような子どもの呼び掛けなら効果があるかも」と発案した。
県警交通規制課によると、通常は電子音声を使用しているが、県警が委託した信号機メーカーが小学5年の女児2人の声を録音。今年3月に福岡市内にある4カ所の信号機の音声を女児の声に切り替えた。
押しボタンを押すと「間もなく信号が変わります。青になるまでお待ちください」「無理な横断はやめましょう」などと注意を促す音声が流れる。横断歩道を渡る際、女児の声を聞いた60代女性は「かわいい声で耳になじみやすい」と県警の試みに感心した様子。
交通規制課によると、昨年の県内の交通事故死亡者147人のうち82人が65歳以上で、うち32人が道路横断中だった。