大型ビジョン ルール求める動き
「銀座らしさ」 音も節度を

東京新聞 2013年03月30日(夕刊)


「銀座」ではビジョンに伴う音声をやめていただくようお願いします」−。東京・銀座の落ち着いた雰囲気を守ろうと、老舗店などが中心の「全銀座会」は、街中の大型ビジョンの音声をやめるよう、設置事業者に求めている。広告効果が高い華やかな街で増える音や光、香り…。多様化する広告手法に、戸惑う声も大きくなり始めている。(小林由比)「銀座」ではビジョンに伴う音声をやめていただくようお願いします」−。東京・銀座の落ち着いた雰囲気を守ろうと、老舗店などが中心の「全銀座会」は、街中の大型ビジョンの音声をやめるよう、設置事業者に求めている。広告効果が高い華やかな街で増える音や光、香り…。多様化する広告手法に、戸惑う声も大きくなり始めている。(小林由比)

子ども服ブランドのコマーシャルにアーティストの新曲、警視庁の防犯情報…。銀座四丁目交差点にある円筒形のビル「三愛ドリームセンター」に設置されたビジョンから流れる音に誘われ、信号待ちの人たちが映像を見上げる。ビルを管理する「三愛」(渋谷区)の担当者は「情報発信の場としては、世界一といってもいい」と話す。まさに巨大な広告塔だ。新宿や渋谷などの繁華街とは違う大人の街を守るためだ。

だが、今年になって、全銀座会は「銀座における音声のルールについて」という文書を出し、呼び込みなどの音声や光、香りを含め、節度を守るよう求めた。

全銀座会の街づくりを担当する「銀座デザイン協議会」の竹沢えり子さんは「ビジョンの音は説明的で押し付けがましくなりがち。高いところにあるため音量も大きく、苦情もある」と説明する。

ドリームセンターのほか、有楽町マリオン(千代田区)のビジョンにも、ビル所有者や管理者に申し入れたという。ドリームセンターを所有しているリコー(中央区)の広報担当者は「検討はこれから。ビジョンを運営する会社とともに、地元とお互い歩み寄りができるのか考えたい」と話す。

銀座には最近、若者に人気の大型衣料店なども進出。街の雰囲気が徐々に変わる中、協議会は2006年の発足以来、新設の建物や広告の内容を事業者と話し合い、街並みを守ろうとしてきた。広告の色や形を禁じたり、数値で規制するのではなく、個別に協議し「銀座らしさ」を意識してもらう試みだ。

これまでの協議実績は千件。10年秋に増床改築した銀座三越は地元の要望もあり、それまで設置していたビジョンをやめた。街並みとの調和に成功した事例を紹介する手引本「銀座デザインルール」も作る。その一方で、ビジョンのほか、強い香りを放つ店が出たり、サーチライトを使いたいという新手の相談も増えている。

中央区の平野照雄地域整備課長は「デザインは形だけではない。行政が規制するのは難しいが、銀座で商売する人たちがお互いに雰囲気を大事にしたいと考えてもらえれば」と見守る。


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