子供の声 騒音対象外
都条例 見直し案 意見募集

東京新聞 2014年12月23日(朝刊)


保育所や公園での子どもの声がうるさいとして苦情が出ている問題で、東京都は22日、子どもを含め誰でも騒音規制の対象になる現行の環境確保条例を見直し、子どもの声や足音などは一律の数値規制から除外する方針を明らかにした。見直し案に基づく条例改正を検討しており、来年1月13日まで都民から意見を募集する。

見直し案は数値規制から除外する音として、保育所や幼稚園、児童館、公園で、就学前の子どもや保育者が発する声、足音、遊具音などを例示した。音の大きさによる一律の規制ではなく、周辺住民が我慢できる限度を超えているかによって条例違反かどうかを判断するという。

都環境局は、見直し案に関して「乳幼児が楽しく体を動かし、声を出せる環境は必要であり、騒音基準を適用して子どもの遊びを抑制するのは望ましくない」と説明。ただ、状況によっては騒音になりうるとみて、限度を超えて周辺住民らに被害がある場合は、施設側に措置をとるよう勧告・命令できるようにする。

保育所などの空調設備や送迎する保護者の話し声は、子どもの育成に必要な音とは言えず、現行の規制基準を適用するという。

都の環境確保条例は「何人も規制基準値を超える騒音を発生させてはならない」と規定している。地域や時間帯による音量の規制基準を定めており、この条例に基づき子どもの声を騒音として訴訟を起こすケースも出ていた。見直し案は都環境局ホームページで閲覧できる。


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