JR「駅メロ」ご当地自慢
23区10駅「阿波おどり」「さくらさくら」

東京新聞 2014年7月28日(朝刊)


ポピュラーな楽曲を発車メロディーとして流すJRの駅が今夏、23区内でちょうど十駅となった。地元の夏の一大イベントに合わせて「阿波おどり」の曲を八月だけ流す高円寺駅(杉並区)のような季節限定使用もある。多くの駅が、地元らしさを通勤客から外国人客にまでさりげなく伝えている。 (辻渕智之)

JR東日本東京支社によると、よく知られた楽曲を区内のJR駅で発車メロディーに初採用したのは大井町駅(品川区)。1992年からビバルディ作曲の「四季」を流す。ただし選曲の理由は地元と関係なく「当時の駅長がクラシック好きで、駅のムードを明るくしたかったから」。

10駅目となったのは阿佐ケ谷駅(杉並区)で、ジャズのアレンジが施された童謡「たなばたさま」が今月7日から流れている。地元で60年前から続く七夕まつりと今年20年目のジャズイベントの双方にちなみ、地元商店街などがJR側に要望して実現した。

中央線で東隣の高円寺駅のメロディーも、「阿波おどりの街」をアピールしたい地元商店街の要望を受けて2004年から続き、8月の1カ月だけ耳にできる。高円寺パル商店街振興組合事務局の鶴源也さん(77)は「ムード盛り上げに一役買ってますよ」と定着を歓迎する。

しだれ桜が有名な六義園に近い駒込駅(豊島区)も、以前は「さくらさくら」をシ一ズンだけ流していた。05年9月からは通年で流すようになった。 高田馬場駅(新宿区)は「鉄腕アトム」。漫画でアトムが高田馬場にある「科学省」で誕生したからだ。駅に近い韓国料理店長の韓国人男性(44)は「アトムは子どものころ韓国で見たので懐かしい曲。アトムが高田馬場生まれだから、駅に流れているのも知っています。東京の駅でメロディーを聴くのも今では自然に感じるようになりました」と語る。

JR東日本東京支社の広報担当者は「発車メロディーで地域活性化に少しでも協力で きれば幸いです。今後も地元の要望があれば応えていきたい」と話している。


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