CMの大音量にはからくりがある
プロデューサー 元井 淳一(神奈川県 53)

朝日新聞 2014年6月29日(朝刊)


テレビでCMになると音が大きくなり、驚くことがありませんか。テレビの音の聞こえ方をそろえる業界の自主規制が2013年から完全施行されましたが、改善されていないからです。
取り決めでは、番組やCMごとに音量の「平均値」を出し、それが基準の上限以下なら原則OKです。1本のCM中、音の小さい時間が長ければ、一部は大音量でもいいのです。また、CMは注目を集めるために、人間の耳に大きく響くように機械で音を微調整する場合があります。これらがCMの音のからくりです。
私は放送局に番組を納めていました。調整作業には実際の放送時間の3倍以上の時間と、1時間番組で数万円の費用がかかります。視聴者のためにならず、制作側も負担な方式は見直すべきです。


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