心動かない機械的接客

無職 八角 宗林 60 (千葉県匝瑳市)

東京新聞 2013年3月1日(金)


コンビニで地元紙を買い、百十円を支払いました。店内で記事を確認し、もう一部必要になったので「もう一部ね」と言うと、男性の店員は「二百二十円になります」。確かにカウンターに二部置いてしまったので、私は「一部は今さっき買ったでしょう」と説明したものの、居心地の悪さを感じました。
彼は「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と接客してくれたのですが、一分前の私との関係を覚えていなかつたのです。どうやら彼の頭の中には端から私はいなかったのです。
彼の関心は商品と金銭の交換で、私との関係ではありません。先の挨拶は私にではなく、マニュアルに従っただけのようです。
マニュアルには「手動の」の意味もあります。手ではなく一人としての心を動かし、接客していただきたいですね。自販機のような応対では駄日です。


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