発車メロディーに魅力を乗せて
♪マルコメ、マルコメ ♪ウィスキーが・・・
瞬時に伝達話題作りも  広告利用が活発

東京新聞 2012年10月31日(朝刊)



電車の発車メロディーを広告に利用する動きが目立ってきた。車内の中づりや液晶ディスプレーの映像など視覚に訴える従来の広告とは異なり、音声で瞬時に多くの人々に商品やサービスの魅力を伝えられ、話題づくりにもなると企業に注目されている。

西武新宿線の高田馬場駅(東京)のホーム。発車を知らせるのは、みそメ―カーのマルコメが30年以上、テレビなどで流しているおなじみのCMソング「マルコメ、マルコメ、マルコメ、マルコメ〜」のメロディーだ。

駅にいた主婦(60)は「自然に耳に入ってきて記憶を呼び起こしてくれる。きょうは孫におみそ汁を作ってあげます」と話していた。

高田馬場駅近くに東京支社を置いて約20年のマルコメが、周辺地域との交流を深める一環として西武鉄道に提案し、10月から始まった。地域振興を目的に複数の駅で人気アニメの主題歌などのメロディーを流している西武鉄道だが、広告は今回が初めてという。

メロディーの広告利用が話題を呼んだのは、2010年夏にサントリー酒類がJR新橋駅(東京)を中心に展開した「角ハイボール」キャンペーン。低迷するウイスキー消費てこ入れが狙いだった。

多くの飲食店を抱える新橋駅周辺を「ハイボールの聖地」と位置付け、駅構内の看板広告などを同社のもので占拠=℃ハ真。 1990年から使われてきたCMソング「ウイスキーが、お好きでしょ」を発車メロディーで流した。ウイスキー市場回復とともに話題を呼んだメロディー広告はその後、JR渋谷駅や原宿駅にも広がった。西武鉄道以外の私鉄も利用を検討している。


home