映画 音に苦手な人に配慮を
大学生 野口沙紀(新潟県村上市 19)

朝日新聞 2012年6月2日(朝刊)


6年ぶりに映画館に行った。どうしても見たい作品だったのだが、行く前に私はとても緊張していた。
私は大きな音が苦手だ。爆発音や叫び声を聞くと、ひるんで映画に集中できなくなる。家のテレビで映画を見るときはリモコンで調節できるが、映画館ではそうはいかない。
今回は耳栓を持参した。工業用の高性能なものではなく、どこでも手に入る安価なものだ。しかし、耳栓をして映画を見ると耳が壊れそうなほどの大音量も少しは和らいだ。それでも人物の会話もしっかり理解でき、耳栓を持って行って正解だった。
私のように音に過敏な人は珍しいのだろうが、自閉症の人の中にも音に過敏な人がいるとも聞く。映画館ではせっかく大画面で映画を見るのだから、大きな効果音にびくびくおびえずに楽しみたい。音響に配慮された作品や画館が増えたらいいなあと思っている。


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