サイレンス・カー 静かに幕
車内放送なし 一時は人気
山陽新幹線 来春に廃止
乗り過ごし続出、利用伸びず

神戸新聞 2010年12月26日


JR西日本は、来年3月12日のダイヤ改正に合わせ、山陽新幹線の「ひかりレールスター」(新大阪―博多)に導入している、車内放送がない「サイレンス・カー」を廃止する。山陽・九州新幹線の直通車両「さくら」(新大阪―鹿児島中央)の運行開始に伴い、「車内サービスを統一する(担当者)ためだが、乗客が乗り過ごすなど相次ぐトラブルも影響したとみられる。
JR西によると、サイレンス・カーは、2000年3月、「ひかりレールスター」(8両編成)の運行開始に伴い4号車に設定。年末年始などの繁忙期や緊急時を除き、車内放送が流れないほか、車内販売の売り子も乗客から声を掛けられない限り、無言のまま移動する。 当初は「静かな車内で仮眠できる」などとビジネスマンらに好評だったが、停車駅を電光掲示板のみで知らせるため、乗り過ごす乗客が続出。静かな車内ゆえに話し声がうるさい、といった苦情も多く、最近は利用が低迷、ほかの車両に比べ空席も目立っていたという。
JR西の担当者は「一時期はサイレンス・カーから指定席が売れていくほど人気だったのだが…。ちょっと寂しい感じ」と話す。
ひかりレールスターでは同時に、1〜2歳の子どもを対象にした、一部車両でのチャイルドクッション貸し出しサービスも廃止される。
(足立 聡)


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