知って 安心
携帯型音楽で難聴?

朝日新聞 2010年7月17日


 1980年ごろに携帯型音楽プレーヤーが登場して以来、イヤホンやヘッドホンで長時間、大音量の音楽を聴き続けると難聴になる恐れがあることが指摘されてきた。
 慶応大医学部の小川郁教授は「特にデジタル携帯型音楽プレーヤーは大きな音量が出るうえ、ノンストップで聴けるので影響が大きい」と話す。「30〜40年後には、5千万人が携帯型音楽プレーヤー性難聴になる恐れがあるという学者もいます」
 症状は、聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳がつまったように感じる、など。ゆっくり耳を休ませれば治る場合もあるというが、内耳の蝸牛(かぎゅう)にある有毛細胞は、大きな音や長時間にわたる音にさらされて折れたり傷ついたりすると、再生は難しい。一度聞こえなくなると、治らない恐れがある。
 欧州連合(EU)は昨年秋、プレーヤーの音量を規制する安全基準策定に乗り出した。仏には音量を100デシベル以下とする規制があるという。
 機種やイヤホンによっては120デシベル以上の音量になるプレーヤーもあるらしい。「なるべく音量を落とし、時々は耳を体めてください」と小川教授は忠告している。


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