住宅版エコポイントで広がるが…
内窓 決め手は防音
都市部での購入理由 「断熱」を上回る

日本経済新聞 2010年7月13日(朝刊)


 省エネ性能が高い住宅の新築や改修で商品と交換できるポイントがもらえる住宅版エコポイント。対象商品で予想を上回る売れ行きなのが、既存の窓の内側に付けて断熱性などを高める「内窓」だ。もっとも都市部では防音性を購入の決め手にしている人が多い。家電量販店やホームセンターなどでも扱うようになり、身近になったことも利用を後押ししている。
 「高速道路の音や消防車のサイレンなどがほとんど聞こえなくなった」と話すのは千葉県習志野市のマンションに住む高橋長さん。4月末に旭硝子の内窓を複数個所に25万円で設置、もらったポイント3万円分は百貨店の商品券に換えた。
 ホームセンターのカインズでは3月に住宅版エコポイントの申請が始まってから、計画の3〜4倍の売れ行きで9割が内窓の利用だ。都市部では「騒音対策」を購入理由に挙げる人が3〜4割で断熱を上回り最も多い。
 ホームセンター、ビバホームを運営するトステムビバ(埼玉県上尾市)は内窓の販売件数が計画比の2倍。「大型テレビを大きな音で楽しむ人も増え外への音漏れを気にする人も多い」と話す。
 内窓は断熱性が認められ、住宅版エコポイントの対象になったが、同時に防音性能も向上する。メーカーによると騒音を約40デシベルカットでき、街中の交差点レベルが静かな公園程度になることが評価されているわけだ。
 内窓の6月の販売が前年同月比の約5倍というトステムは「家電量販店やホームセンターに販売の窓口が広がり、普及が進んでいるようだ」と話す。実際、ビックカメラは1月に首都圏の4店で内窓の取り扱いを始め、好調なため扱い店舗を20店まで拡大した。
 工務店などに販路が限られたころに比べ価格も分かりやすい。ホームセンターや家電量販店では内窓そのものは通常のサイズで2万円台から、人が出入りできる大型サイズでも5万円台からある。工事費もカインズが1窓あたり1万5千円で統一するなど、明快だ。 日本の持ち家の戸数は一戸建てがマンションなど集合住宅の5倍。それでも経済産業省によると住宅版エコポイントの利用は一戸建てとマンションで半々だ。通常改修には制約の多いマンション居住者などが様々な店で内窓に触れ、意外と設置しやすいことに気づいたことも内窓の利用拡大につながっているようだ。

▼住宅版エコポイント
 通常の住宅よりエネルギー消費量が10%程度少ない住宅の新築や、省エネ性能を高める改修をした場合、国が商品券などと交換できるポイント(1ポイント1円相当)を付与する。2010年着工の新築住宅や改修工事が対象。新築は30万ポイント、改修は窓ガラスに断熱性の高い内窓を付けた場合、1枚につき7000〜1万8000ポイント (1住宅の上限は30万ポイント)もらえる。
 6月末までの申請は約8万2千戸で8割を改修が占め、約58億円分のポイントを発行している。


home