マナーの大切さ 経験から学ぶ
見附市 渡辺夏美(18) 専門学校生
新潟日報 2010年6月27日
私は音楽を聴きながら家路へと向かうバスに揺られていた。不意に後ろの座席から大きな音が聞こえたので、振り返ると、イヤホンもせずに、ワンセグ携帯電話でテレビ番組を見ている女性が堂々と座っていたのである。
その時点で、私も何かしら注意すべきだったのだが、「大衆」の存在する空間を恐れ「もう少し場所を考えていただけませんか」の一言さえいえなかった。
その後、バスが信号で停止すると同時に、女性の携帯から甲高い子供の泣き声が響く。直後、私と女性が「大衆」の注目の真ん中に居たのはいうまでもない。
結局、私の聞いていた音楽の音漏れととらえられたようで、罪は私がかぶることになった。そこでも、私は思わず謝罪をしてしまったのだが、いまだにこっちを見詰める男性の冷たい視線が忘れられない。
この奇妙な体験から、「私自身がきちんと意思表示することがいかに重要か」を身をもって学んだ。しかし、それ以前に子供、大人、学生、社会人の区別なく、もう一度自分のマナーを振り返ることが大切なのではないかと強く感じた。
恥ずかしさ、申し訳なさ、悔しさとともに学んだ今回の体験を、これからの人生にもぜひ生かして行きたい。
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