拡声器騒音まみれの日本の街に警告を発する会です
「静かな街を考える会」として、防災無線反対の主張を文書にまとめました。市役所など自治体との交渉にお役立てください。 この文書は利用者ご自身の手でコピー&ペーストし、ワードなどで整形してください。その際、必要事項を追加したり、必要のない個所を削除したりするのは自由です。文言の改変も自由ですが、必ず自己責任でご使用ください。 なお、会員の方は事前に代表のディーガンまでメールで連絡すればご使用いただけます。 会員でない方は、ディーガンまでメールでご連絡のうえ、必ず会員になってから(機関誌「AMENITY」を購読してから)ご使用ください。会員でない方の無断使用は固くお断りします。
本会は1984年の結成以来、この国の生活環境をより快適にするため、公共空間におけるあらゆる拡声器騒音を減らすための運動を行っている市民グループです。 この書面は、本会会員の××市在住・山田太郎氏より、貴市における防災無線設置計画についての相談を受け、これに対し強く反対の意思を表明するものです。
1. 防災無線は、くつろぎの場である自宅や、仕事をするための場である会社といった「私的空間」の中でさえ強制的に聞かされる「騒音」であり、心のやすらぎや労働意欲などを奪う「騒音公害」にほかなりません。私たち市民がすこやかに暮らすための「生活権」や「静穏権」といった基本的人権が、強制的な大音量放送によって著しく侵害されているのです。
2. 特に夜間勤務で昼間に睡眠をとりたい市民や、自宅で仕事をする市民、幼児や病人といった休息が必要な市民などにとって、防災無線は深刻な騒音被害を与えるものでしかありません。
3. 音というものは音波である以上、「音源が多くなればなるほど」「大きな音を出せば出すほど」干渉しあい、聞こえづらくなるという特性があります。また、音波は長距離を伝わるほど減退するので、放送を遠くまで聞かせようとして大きな音を出せば、屋外スピーカーを設置した周辺世帯では特に騒音被害が著しいものとなります。このような特性を考慮しない施策をとることは、行政の情報伝達手段のあり方として根本的な誤りにほかなりません。
4. 「防災無線が正常に動いているかどうか、テストを兼ねる意味で日常的な放送が必要不可欠だ」と主張する行政機関もありますが、テストは実際に放送しなくても、通電させるだけで十分に可能なはずです。また、「ポーン、ポーン」というような音をごく小さく、短時間鳴らすだけでもテストとしての効果は得られるはずです。
5. 防災無線の使用目的は本来、大規模災害が起きた際の避難勧告など、あくまでも緊急時に限定されるはずのものです。それ以外の緊急性、重大性、広域性などの低い内容で防災無線を乱用することは、日常的に騒音被害をもたらすだけでなく、本当にいざというときに、市民の防災無線に対する注意力を薄めてしまうマイナス面(オオカミ少年効果)しかありません。
6. 不要な放送の事例
・「子どもを見守りましょう」「振り込め詐欺に注意しましょう」など:市民に「地域が不審者だらけ、犯罪者だらけ」という「相互不信感」をもたらせるだけです。
・「火事の発生や鎮火のお知らせ」など:わざわざ市内全域に強制的に知らせるほどの内容ではありません。
・「選挙や祭、イベントのお知らせ」など:市の広報誌やホームページなどで告知すれば十分。関心のない市民のために騒音をまきちらす必要はありません。
・「時報や夕焼けのメロディー」など:時刻を知らせたり、帰宅時間を強制したりするのは市町村の仕事ではありません。
・「挨拶をしましょう」「今日も元気に働きましょう」など:このような個人的な生活の信条やマナーは、行政が踏み込むことではありません。
7. 東日本大震災の被災地では、「地震や津波の影響で防災無線が使用不能となり、ほとんど役に立たなかった」という事例がいくつも報告されています。現状の防災無線は、地震の揺れや津波で屋外スピーカーが倒壊したり、停電により送信機がダウンしたりすればすぐ使いものにならなくなる、あまりにも脆弱なシステムなのです。
8. このような暴力的、強制的でしかも役に立たない従来の防災無線に替わるものとして、FM放送、ケーブルテレビ、携帯電話などを利用した「屋内型受信システム」「個別型受信システム」が開発されています。このような新システムを導入すれば、「必要な情報を必要な人に確実に伝えることができる」可能性が高まるのですから、こちらの導入を検討してください。
以上
「静かな街を考える会」
会員(提出者) 山田太郎(××県××市××)
会代表 C.J.ディーガン(東京都青梅市梅郷5-1033-2)
他・会員一同 http://sky.geocities.jp/bunka_so_on/